【AI時代の専門家の価値】
士業はAIに仕事を奪われると言われるようになってから数年が経ちます。
時代が進むにつれて、その語気は強まり、具体性も増していますが、実際にはどうでしょうか。
2026年3月、このAI時代の成長期に開業して、行政書士として実際に仕事をしてみた感想を記します。
まず、ここでいうAIとは、一般的に利用できるChatGPTやGeminiなどの生成AIを指すものとします。
私が利用してるということもあり、とりわけGeminiProについてのお話になりますが
端的に、現時点では、AIは士業に代替できておらず、今後しばらくできそうにないように感じます。
私は、仕事にかぎらず日常的にAIを頻用しておりますが、話題の重要性にかかわらず、いわゆるハルシネーションを起こしてしまうので、重要性が高い話題に利用するには、致命的欠陥があるように感じます。
ちなみに、ハルシネーションとは、「しったかぶり」のように誤答することです。
しかも、重要性の高い話題に対しては、ハルシネーションの率が極端に高くなるようにも感じます。
そもそも、AIがどのように回答を出しているのか?Geminiに本人に尋ねてみました。
その結果「事前に記録された膨大な情報と、Webに転がっている情報から、アルゴリズム(一定の決まり)にもとづいて推論する」というような回答となりました。
つまり、情報とアルゴリズムの組合せしだいということです。
そして、それらが不十分だとハルシネーションが起こります。
ゆえに、重要性の高い話題≒専門性の高い話題≒士業の仕事には、ハルシネーションが頻発するということになります。
逆に、情報とアルゴリズムが十分であれば正しい回答がなされるわけですから、誰かが頑張って士業の仕事に必要な情報をAIに記録すれば、いずれ代替されそうではあります。
しかし、誰がそれをやるのでしょうか。
おそらく、AIが低価格で一般利用可能なのは、Webの無料情報を利用しているからであり、専門的知識を記録したAI士業なるものをどこかの企業がわざわざ作るとすれば、それなりのコストがかかり、それなりの価格での提供となるでしょう。
さらに、アルゴリズムの部分にも問題があるようです。
AIのアルゴリズムは「数値化」と「確率」です。
得た情報を数値化して確率的に正しい文を生成しています。
直接的に意味を理解して回答しているのではありません。
「数値化」が人間でいうところの理解の部分にあたりますが、人間の理解と同レベルで代替するのは原理的に不可能と言われています。
そして、「数値化」は情報が多ければ多いほどハルシネーションが起こりやすくなってしまうという特徴もあるので、上述した、専門的知識を記録してというのも難しくなります。
したがって、現状のAIにどれだけテコ入れをしても不十分な状態を脱しないということになります。
とはいえ、AIが士業に完全に代替はできなくとも、部分的にはAIで足りるようになっているのも事実です。
しかし、それはAIがやり方を部分的に教えてくれるのであって、AIが代わりに実行してくれるのではないので、自分でAIに尋ねながらやるよりも、専門家に丸投げしたほうが合理的だという結論に行き着くのではないでしょうか。
長くなりましたが、士業の仕事というのは、「専門知識を備えた人間」だからこそできる部分が結構あり、まだまだ、価値のある職業なのだと思います。
以上となります、お読みくださりありがとうございました。

